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わたしのおっぱい論考 【ムックマム12号より】

前回、特集で子どもの食生活を扱いましたが、その際、紙面の都合もあって書ききれなかったのが母乳のこと。そこで、今回は母乳をテーマにしてみたいと思います。
この記事は小林が自らの経験と観察と勉強によって整理をつけたものですが、とにかく子どもによって、親によっていろんなあり方があり、"固定した"最善の方法というのはないと思っています。
どうぞ、基本ラインを押さえつつ、しなやかに、おおらかに自分流の母乳育児を一人一人が築いていってくださいますよう・・・。

生まれてから


 生まれてすぐに始まる食事は母乳ないしミルクです。本来牛の子が飲むものであるミルクより、母乳の方がすぐれていることは、いまさら強調するまでもないと思いますが、ただ母乳が順調に出ない場合ミルクに頼ることもやむをえない場合もあるでしょう。ただその場合、「いつかは必ず母乳オンリーにするんだ」という執念を捨てないことが何より大事だと思います。そして、病院や
保健婦さんに示されるミルクの量や体重の基準値というのにこだわり過ぎないことも大切です。
赤ちゃんは自分にとって必要な量を自分で知っています。
飲む量が少ないからといって心配しすぎないように。そして、あくまで母乳につなげるためのミルクであって、基本は、一日に何回でもおっぱいを吸わせること。吸わせれば吸わせるだけ、おっぱいは生産されます。それでも親子ともにくたびれ果てるようなら、要所要所でミルクを補って、親子ともにほっと一息ラクをして、また次へつないでいけばいいと思います。
「一滴のミルクも飲まさない」と意地になることはありません。でも、「ミルクでもいいや」と安易な方に流れてしまってもまずいでしょう。

与え方

 おっぱいをあげるタイミングは、保健所の指導、桶谷式、山西式といろいろありますが、どれも参考程度にして、最後はその子を見て決めるのが一番だと思います。離乳食が始まる前の小さな赤ちゃんは、基本的にほしがる時にあげるというのでいいと思いますが、大きくなってくると、単なる空腹からほしがるのでなく、甘えてほしがることも出てきます。そういう時におっぱいを与えるか、与えずに他の方法で愛情を表現するかは、親の考え方次第ではないでしょうか。
この時の選択は、後に断乳あるいは卒乳の仕方、時期に関係してくるようです。一般に、泣けば与える方式でやっていくと、断乳の時期を遅くして子どもが納得した上でとなるか、何日か泣くのを乗り越えてというパターンになることが多いようです。
逆に、小さいうちからおっぱいを与える時間あるいはタイミングを生活のリズムの中で決めていてそれ以外の時は基本的に与えないという方式だと、離乳食が進むとともにおっぱいの回数も減って、比較的らくに、自然に卒乳できることが多いようです。

 回数を減らしておっぱいの間隔が空くと乳質が落ちるという説もありますが、これも個人差や食事の内容の違いによるところが大きく、順調な場合、子どもの飲む量が減ると生産量も減り、たまり乳(おっぱいの中に生産過剰の母乳がたまって品質が落ちること)になるということもないようです。
理論にとらわれず、子どもの様子とおっぱいの状態を自分でよく確認しながら、母乳生活を進めていくのがいいでしょう。

卒乳

 卒乳の仕方についても人さまざまで、桶谷式の場合、最後までずっと3時間おきの授乳を続け、二本の足で歩けるようになったら断乳という方法を取ります。よく話して聞かせ、おっぱいに顔を描いて、飲みたがると見せ、「もうないないよ」などと説明します。断乳後はぐっとお兄ちゃん、お姉ちゃんっぽくなり、親子ともども感激という話をよく聞きます。
山西式では7歳とか10歳までのいつかにやめればいいでしょうという考え方で、比較的長く、3歳4歳まで与えて、子ども自身が納得して自分からやめる時期を待つというパターンが多いようです。
私自身は、いつやめるのが一番いいのかという結論は出せませんが、離乳食の食べ方を見て、ご飯を喜んでしっかり食べ、特に身体的、精神的に問題が見られないなら、その頃より以降はいつやめても大丈夫ではないかと考えています。

我が家の場合

ちなみに我が家の二人の子の場合は、離乳食を始めた頃から、おっぱいを与える時間(各食後と昼寝前、夜寝る前、夜中)を決めておき(これは、子どもの生活にリズムをつけるためにしたことですが)、次第に離乳食が進むと食後のおっぱいはなくてもいいようになってきたので、お昼寝前と夜寝る前、夜中だけにやっていたのですが、そのうち昼寝は抱っこやおんぶで寝かしつけるようになり、そうこうするうちに夜中も起きる日と起きない日が出てきて、最後は夜寝る前、私は姿を消してお父さんに寝かしつけてもらうようにしたら、いつのまにか自然に卒乳していました。
おっぱいもそれに応じて順次生産されなくなったので、卒乳後も張って苦しいということもなく、ケアも必要ありませんでした。

私としては、自然のからくりというのは、なんてうまくできているんだろうと感嘆した次第です。
子どもの成長と親のおっぱいの衰退は本来自然に一致するもので、理論に従って3時間おき授乳や定期マッサージをする必要があるのかと個人的には思っております。昔のおっかさんのことを考えても、そうではないかと思います。
しかしながら、そこらへんも各人でさまざまな事情があるものなので、一概に何がいいとは言えないと思います。

くり返しになりますが、基本は子どもを見て!!
知識・情報は大事なお助けになりますが、そちらが主にならないようにお気をつけ下さいませ。

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