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親子で楽しめるシュタイナー教育~おもちゃと遊び~ 最終回  【ムックマム7号より】

 今回は最終回ですが、テレビについて考えていきたいと思います。 テレビは、シュタイナー教育では0~7歳には基本的に見せないのがよいと考えられています。現在、テレビのない生活は考えられないかもしれませんが、テレビは「本物」ではありません。たとえば“海”の映像が流れても、海に吹く風、潮の香り、水の冷たさや塩からいことを感じることはできません。また、人間には(特に幼いこには)一つの絵を“じっと見ていたい” という欲求があるのに、テレビのように次々と絵を取り替えられるとストレスがたまり、暴力的になる(ブラバンド・シュナイダー「シュタイナー教育と子供の暴力」イザラ書房)という指摘もあります。

 我が家の場合、私がシュタイナー教育に出会ったのが、子供が2歳近くになってからで、それまでは“いいのだろうか”と感じながらも、テレビに子守りをさせるという育児でした。

 私が初めて、子供にテレビを見せていいのだろうかと疑問に感じたのは、子供が1歳になった頃だったと思います。その日私は、家事に追われているというのにまとわりついてくる娘が煩わしく、テレビのスイッチを入れました。NHKの教育番組で内容もよさそうな人形劇をやっていたので、子供に見せて、自分は家事をやっていました。

 少しすると、子供がワーワー大きな声で泣き出しました。急いで行ってみると、子供は、テレビの画面に釘付けの状態で泣いています。テレビの画面に目をやると、嵐の場面で、雷が鳴り、子供たちがとても怖がってお母さんにしがみついているところでした。

 私の子供は、初めてテレビを通して出会った雷に大変驚き、ショックを受けたようでした。テレビを消した後も、放心状態でその場に立ち尽くしていました。それから少しして買い物に出かけようとしても、まだ放心状態のままでテコでも動きません。

 その後、シュタイナー教育を知り、「歯が生え変わる時期まで、人間はその全体がいわば感覚器官なのです」(七歳までの人間教育」E.Mグルネリウス フレーベル館)という一文に触れ、あの時、子供は自分の頭のてっぺんから足のつま先まで使って、自分の全細胞に雷の恐怖を受け入れてしまったに違いないと気がつきました。

 “よし、テレビをやめよう”と私は軽く決心しましたが、主人はテレビが命という人なので、とてもテレビはやめられません。結局、主人が家にいる時間はずーっとテレビのスイッチが入ったままで、私と子供の二人だけの時はテレビはOFFという形で今まで(現在子供は5歳なので 4年間)やってきました。

 最近、子供は主人とテレビを見ている時、ときどきですが「テレビをみていると体がどきっとしちゃうの」と言うことがあります。特にニュース番組を見ている時は、「車にひかれて病院に運ばれちゃうと、りさ(子供の名前)もつれていかれちゃうかなと悲しくなっちゃう」と本当に悲しそうな顔をします。

 つい1ヶ月ぐらい前のある日、主人が出かけた後、私がテレビを消して家事をしていると、子どもは一人で鼻歌を歌いはじめました。少しすると歌うのをやめ、窓の外をぼーっと見ています。しばらくして、キッチンで洗い物をしていた私に、「お母さん、鳥さんがね、りさがむすんでひらいてを歌っていたら、今度は真似して歌っているよ」とうれしそうに言いに来ました。子供はぼーっとしていたのではなく、鳥さんの歌を聴いていたのです。

 鳴り響く音と刺激的な映像がなくなったとき、子供の耳には、今まで聞こえなかった音が聴こえ、見えなかったものが見えてくるのです。ただテレビを通して情報を一方的に与えるのではなく、子供がどんな小さなものにも感動できる静かな環境を整えてあげることが大切な気がします。

 私も、子供が話してくれる鳥や花や虫たちのメルヘンを聞く時、子供を授かり、共に生きていくことを許された自らの運命に感謝したくなります。ですから、子供がメルヘンを語れる環境はできる限り整えてあげたくなるのです。

 私は、少なくとも子供がいつかメルヘンの住人を卒業する日がくるまでは、テレビのスイッチをONにしないだろうと思います。そして、一日でも長く子どもと一緒にメルヘンの住人でいたいと願っています。

 6回にわたり、おもちゃと遊びの観点からシュタイナー教育を、私の体験を踏まえ、思いつくまま述べてきました。私はシュタイナー教育に触れ、日々の生活が豊かになり、子供との生活がより楽しめるようになったと感じています。シュタイナー教育という一つのスタイルを通して、親も子も何かを学び、楽しめたら、それだけでとてもステキな事ではないでしょうか。

文責 白石深納子

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